イベント・講座

【事業報告】海を学ぼうスクール  ~海と日本PROJECT~

公開日:2020.01.20

海のおもしろさをもっと多くの方に伝えたい!

 研究者や環境教育の専門家が協力して創った《海洋学習教材LAB to CLASS》。その教材をふんだんに使ったイベントを開催し、多くの方に海のふしぎや面白さを知ってほしい、さらに気軽に使えるLAB to CLASS教材の魅力も伝えたい!・・・というオモイから始まったのが『海を学ぼうスクール』です。日本財団・海と日本PROJECT2019の一環として、今年度3回(神奈川県相模原市、東京都港区・中野区)実施し、合計165名の子どもたち(保護者を合わせると約300名)と、65名の教育関係者の方にご参加いただきました。

 

 

 ★テレビ神奈川【カナガワニ海】にて紹介していただきました。
 

よくばりな構成にした理由・・?

『海を学ぼうスクール』は、小学生対象の【海の生きものKIDSワークショップ】と、学校の先生をはじめ様々な形で子どもの学びにかかわる指導者向けの【海×先生】との二部構成です。加えて、【海にまつわる遊び&学びのコーナー】や【展示コーナー】なども設け、室内でもたくさんの”海“に触れられる!を目標にしました。

★第2回・港区 展示コーナー★

 2つのプログラムを同じ場所で同時進行するのは、主催者側にはとてもハードです。それでも二部構成にこだわったのは、【海×先生】の参加者に、実際に子どもたちがLAB to CLASS教材を使って学ぶ様子を見てほしかったから。それは、LAB to CLASS教材は、《〇〇カード、〇〇ワークシート》などの「教材ツール」そのものを指しているのではなく、それらを駆使していかに楽しく、身近なこととして子どもたちに〝海のこと“を伝えるか・・・というスタンスを指しているからです。

 そしてもう一つ、〝LAB to CLASS教材はアレンジOK!”ということを知ってほしかったから。ゲーム要素の強い教材も、絶対にこうしなければならない…という細かいルールはありません。基本的な使い方はご紹介していますが、使う方がご自分の経験や得意分野を活かし、学習者に合わせてアレンジすることを想定して作っています。今回の『海を学ぼうスクール』では、フィールド経験も異なる多様な講師陣に、教材を自由に使ってプログラムを作ってもらいました。同じ教材でも、講師によって驚くような楽しい展開が生まれます。それを見ていただき、そして使っていただき、たくさんの意見をいただきたい。そうして、LAB to CLASS教材の可能性を探りたい!という気持ちがありました。

 さらに【展示コーナー】では、北里大学のキャンパス内で水族館を自ら運営している海洋生命科学部の『アクアリウムラボ』の学生さんがご協力くださり、たくさんのオリジナル展示を考えてくれました(※第3回を除く)。日ごろから、海の生きものの研究・飼育をしている学生さんたちが、子どもたちにどんなことをどんな風に伝えたいのか…。その展示には海洋生物への愛と独創性にあふれた、ユニークなものがたくさんありました。

 

【海×先生】のサブタイトルに注目!

【海×先生】は、小中学校の教員をはじめ、さまざまな形で《子どもの学び》に関わる方を対象に、「海と自分たちとのつながり」をどのように伝えるか・・・を参加者全員で考えるワークショップでした。毎回異なる、長めのサブタイトルにご注目!

 第1回:知る」で終わらない教育デザインとは

 「未来授業デザイン」などユニークな授業を手掛けている、新渡戸文化学園生物教諭・山藤旅聞先生を講師にお招きし、海洋教育・環境教育の重要性に加え、《生徒自身の「行動につなげる」「個性を活かす」教育の達成のための“指導者の立ち位置”はどうあるべきか》を探ってみました。

  

 

 第2回:「自ら学ぶ力」を引き出す教育デザインとは

 環境教育業界の重鎮、人と人・自然・社会をつなげる専門家である川嶋直氏(公益社団法人日本環境教育フォーラム理事長)を講師にお迎えし、《対面学習の特性を最大限活用する方法》を探りました。さらに、ゲスト講師をもう一人。伊豆諸島・三宅島の〝海”を教育の場として活用していた中村泰之先生(現23区内の小学校校長)に、当時の事例を通して、生徒たちが自主的に学んでいく様子をご紹介いただきました。

 

 

 第3回:「知る・つくる・実施する・振り返る」海のPBL(project based learning)デザイン

「自分たちで作って実践する!」のが一番の学びになる…という発想から、最終回は第1回を担当した山藤旅聞先生の指導のもと、参加者自身がLAB to CLASS教材を元に、オリジナルプログラムを作って子どもたちに実施してみました。少々チャレンジングな試みでしたが、多くの魅力的なプログラムが生まれました。

 

 【海×先生】は、素敵な講師のみなさまのお陰で、「海」だけにとどまらず、広い視野で環境や教育の議論がなされ、刺激的なワークショップとなりました。

 >>第3回海を学ぼうスクールin中野区/【海×先生】の報告はこちらへ

 

【海の生きものKIDSワークショップ】3つのテーマ!

人の興味は十人十色。だから、「エントリーポイントは多い方が良い」が、LAB to CLASSの基本スタンスです。サメが好き、カニが好き、イルカが好き、サンゴ礁の青い海が好き…。もちろん「とくに好きな生きものがいるわけではない」という子だっているはずです。

そこで、今回のKIDSワークショップには、3つのテーマを設けました。『イルカのふしぎ』『サンゴのふしぎ』、そして『もっと知りたい!海の生きもの』。 おかげさまで多数のお申込みをいただき(毎回キャンセル待ち状態!)、“海を学ぼう”というキーワードに興味を持ってくれる方がこんなにもたくさんいる…ということを知りました。1回目は「イルカ」、次は「サンゴ」…というリピーターの方もいて、本当にうれしく思いました。

 ~第2回・港区【海の生きものKIDSワークショップ】の紹介動画~

 

 >> 第3回海を学ぼうスクールin中野区 各ワークショップの報告は以下からご覧いただけます♪

 【もっと知りたい!イルカのふしぎ】の報告

 【もっと知りたい!サンゴのふしぎ】の報告

 【もっと知りたい!海の生きもの】の報告

海を学ぼうスクールを全国に!

 「海を学ぶ」には、やっぱりほんものの海に行くのが一番!です。そして、全国の海で、素晴らしい体験学習プログラムが実施されています。ぜひ、多くの方に出かけていただき、からだ全体で海を味わい、海のこと、海と自分自身とのつながりのことを考えて欲しいと思っています。

 一方で、海に行くにはお金や時間がかかったり、季節や天候の条件があったりするのも現実です。また、海は危ないから子供を連れて行きにくいと考える方もいらっしゃるかと思います。それでも、私たちはみんな「海とつながって」生きています。だから、みんなに海のことをもっと知ってほしい・・・そのために、『~海に行かなくてもできる!~海を学ぼうスクール』が、全国さまざまなところで実施されるといいなぁと願っています。

[ 実施概要]

第1回海を学ぼうスクールin相模大野~海と日本PROJECT

■実施日:2019年6月23日(日)
■場所: ユニコムプラザさがみはら(神奈川県相模原市)
事業報告書(PDF)はこちら

第2回海を学ぼうスクールin港区~海と日本PROJECT

■実施日:2019年9月7日(土)
■場所: 港区立エコプラザ(東京都港区)
事業報告書(PDF)はこちら

第3回海を学ぼうスクールin中野区~海と日本PROJECT

■実施日:2019年11月24日(日)
■場所: 学校法人新渡戸文化学園(東京都中野区)
事業報告書(PDF)はこちら

【共通】
■対象者:小学生/大人(教育に関わる方)
■参加費:無料(要事前予約)
■主催: LAB to CLASS プロジェクト(特非 海の環境教育 NPO bridge)
※本イベントは、海と日本 PROJECT (日本財団) の一環で実施しま した。
■協力: 学校法人新渡戸文化学園 ,未来教育 confeito, 海辺の環境教育フォーラム,一般社団法人JEAN、北里大学海洋生命科学部
■後援: 公益社団法人日本環境教育フォーラム ほか