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【事業報告】小学4 年生の年間研究テーマ「海の自然」で 「海ごみ授業」

公開日:2020.02.17

4年生の年間研究テーマ「海の自然」で「海ごみ授業」を担当しました!

昭和小学校で学年ごとにテーマを決めて行われているのが「研究」学習。4年生のテーマは「自然」、なかでも3組36名が取り組んできたのは「海」です。さまざまな角度から海を眺め、この日は夏休みの臨海学校で訪ねた千葉県館山市の海岸で拾ったものを材料に「海ごみ」の授業をしました。学べば学ぶほど、さまざまな問題が見えてくる海洋環境で、子どもたちのこれまでの研究の中間発表も、赤潮や青潮、プラスチックごみ…とどちら方いうと暗い話題が多く見られました。そこで、海のごみの原因を突き止めるだけではなく、海のごみを見つめることで、海岸を通して自分たちが山や遠くの海、空や多くの生きものたちとつながっていることも知ってほしいと思い、LAB to CLASS教材《海のお宝、ふるさとマッピング》 《餌の餌の餌は何?》を使い、自然の循環のなかに在る“自分”を感じられるような構成にしてみました。

• テーマ:「海のごみ」を通して、多様な自然とのつながりを知る
• 対象:昭和女子大学附属 昭和小学校 4年生:36名
• 会場:昭和女子大学附属 昭和小学校4年生教室
• 実施時間:2時限
• 使用教材:海のお宝!ふるさとマッピング餌の餌の餌は何?
• 主な学習(紹介)テーマ:多様な海洋漂着ごみの実態を知る/海岸が山や町、遠くの海、空、多くの生きものと自分自身ともつながっていることに気づく

活動の様子

夏休みに臨海学校で訪ねた千葉・館山の海岸、そしてそれぞれが遊びに行った各地の海岸で拾ったさまざまな物を、グループごとに広げて、まずは分類をしてみます。グループごとに集めたものも、量もさまざま。そこからどんな繋がりが見えるか楽しみです。

 

 海岸で拾った物が、それぞれ元々はどこにあったものかを考え、「海のもの」と「陸のもの」に分けます。
海岸にあったのに、陸からきたものがずいぶんたくさんありました。

 

「海」と「陸」に分けたら、次は「自然のもの」と「人間が作ったもの(人工物)」に分けました。
海岸にあるごみは、人間の作ったものがたくさんあることにびっくり。風や波で砕かれて小さくなったものから、元々は何だったかをみんなで話し合いました。みんながいつも食べているお菓子の袋や、漁に使われている網やロープのようなの破片もたくさんありました。

 

それぞれのものが、どうやって海岸にやってきたのかを想像しながら、拾ったものが元あった場所の絵を描き、漂着物を置いてみました。絵の中には、森の繁みや空飛ぶ鳥の姿、海の中の生きものたちの姿が想像されるものもありました。《海のお宝!ふるさとマッピング》

 

食物連鎖を実感できるカードゲームで、“食べる”を通じて繋がる生きもの、そして自分自身に気づきました。
マイクロプラスチックが生物に影響を与える仕組みもカードゲームだとよく分かります。

ふりかえり 

海の自然をテーマに1年間をかけて行なってきた研究学習(臨海学校で浜辺の漂着物収集活動済。海洋生物には触れていない)のまとめに向け「海ごみ」をテーマとした2時限(95分)の授業依頼でしたが、打ち合わせ時「環境問題に主眼がいっているグループが多く、海の自然に対し負のイメージが強くなっている」ことを担当教諭も懸念していました。そこで、浜辺を起点とした、山や森との繋がり、空や遠方の海、深海との繋がりを感じてもらい、多様な生物やその繋がりの中にある”自分”を感じてもらうきっかけとなるように、海の食物連鎖を扱ったカード教材を使ったプログラムを加えました。

「海ごみ」も「食物連鎖」もそれぞれ2時限を使って2回に分けて実施する内容ですが、今回は1回の実施だったため、振り返りやまとめの部分は、次回の授業で担当教諭に実施していただくことにし、当日は視点の広がりに重点を置いて授業を進めました。時間不足が否めない授業ではありましたが、新たな視点の導入という役割は果たせたのではないかと思います。(文:伊東久枝)

 

 ◆より詳しい「事業報告書(PDF)」は、こちらからご覧いただけます。◆