イベント・講座
【事業報告】海の生きものKIDSワークショップ【海の生きもの】
公開日:2020.01.20
実施場所
学校法人新渡戸文化学園10号館(東京都中野区)
実施日時
2019年11月24日(日)
【第3回海を学ぼうスクールin中野区~海と日本PROJECT~】
2019年11月24日(日)に、「海を学ぼうスクール in 中野区」が学校法人新渡戸文化学園で開催されました。イベントプログラムの一つ「もっと知りたい!海の生きもの」ワークショップとして、教室に《海の生きもの椅子取りゲーム》のカードを応用して、子どもたちと一緒に生きものいっぱいの豊かな海をつくって遊びました。砂浜から深海まで、小さいものから大きなものまで…ユニークで愛らしい生きものいっぱいの海を楽しみ、帰り道に「海へ行ってみたいね!」という親子の会話が引き出せていればいいなと思います。
- テーマ:海の生きもの
- 対象:小学1、2年 22名
- 講師:高橋麻美(MSC海洋管理協議会 日本事務所)/寺西聡子(特非 ディスカバーブルー)
- 会場:学校法人新渡戸文化学園 10号館
- 実施時間:2時間
- 使用教材:鳴き声仲間さがし/海の生きもの椅子取りゲーム
- 主な学習(紹介)テーマ:海の生物の多様性、海の環境の多様性、生きものいっぱいの海の楽しさのバーチャル体験
活動の様子
《鳴き声仲間探し》で、アイスブレイクを行いました。目隠しをするという行為は、どの子もドキドキし、さらに「ぎゃーぎゃー」「ぴーぴー」と鳴くなど、どの子も初体験のゲームは、得意不得意関係なく、子どもたちの緊張をほぐしてくれました。
子どもたちが打ち解けたところで、今日のミッションを発表しました。「みんなで教室に海を作ります!」
あらかじめ、教室後方にブルーシートと模造紙を使って、ある程度まで海を作っておいたので、気になってそわそわしていた子どもたちも、大喜びでした。
まずは、椅子取りゲームのカードに出てくる生きものの学習を兼ねて、さまざまな生物の特徴、おもしろい行動や生息場所などを、スライドを使って紹介しました。私たち講師は二人ともダイビングや磯観察を行いますが、海の中で出会う海の生きものたちは、色形、動きまでも美しく、とても魅力的です。教材の生き物がイラストで表現されているので、スライドでは海中で撮影された写真を一緒に見せました。私たちが素敵だと思っている、生きものたちの美しい姿を見てもらうことで、リアルな海への好奇心を掻き立てるように工夫しました。
次に、《海の生きもの椅子取りゲーム》を実施しました。すでに生きものについてインプットされていたので、子どもたちの興味も深まっています。忘れてしまったこともお友達どうしで教えあって、もりあがっていました。また、自分の知っている情報から、説明のなかった生きもののこともなんとなく予想している子もいて、感心しました。どんなところに棲んでいるのか、カラダは硬いのか、柔らかいのか、何を食べるのか・・・、その生きもののことを知ると、親しみが湧いたり、好きになったりする、それが大切なことだと思います。
続いて、いよいよ「海をつくろう!」の時間です。椅子取りゲームで最後に持っていた「生きものカード」をその生きものが暮らしやすい場所、好きな場所を考えて、“ブルーシートの海”に貼ってもらいました。生きものに詳しくなった実感が子どもたちにも生まれたようで、「まかせてよ!」と張り切って取りかかりました。
ゲームをすることで、子どもたちは、その生きものの暮らしぶりや特徴をより真剣に考えてくれるようです。それぞれの生物のことがすっかり頭に入っていたのか、寂しかった海はあっという間に生きものがたくさん暮らす、賑やかで豊かな海になりました。
完成した海を見ながらのふりかえりでは、子どもたちなりに気づいたことや、生きものが暮らしやすいように工夫した点がたくさん見受けられたので、発表してもらいました。
講師からは、海の環境が複雑で多様であり、だからこそ多くの生物がいてお互いにつながりあって生きていること、そしてどの種類もかけがえのない生きものであることを伝えました。また、海洋ゴミ問題をはじめとする環境問題にも触れました。私たち人間も“お互いにつながりあう生きものの一員”だということも理解してもらえればと思います。
最後に、「次に海に行ったら、あってみたい生きもの」をそれぞれ描いてもらいました。イルカは定番の人気、ヒトデやプランクトンなんて子も。たくさんの生きものが暮らす海を好きになって、今度はぜひ、海へ行ってもらえたらうれしいです。
実施後の感想
海がもっと身近な存在で、大切に思えるようになるには、海で楽しい体験をするのが一番です。私たち講師が、磯観察やダイビングを通して知ることのできた海の楽しさを、学校の教室のなかで一緒に体験してみたいということで、今回のプログラムを考えました。
まずは魅力を知ってもらい、好きになってもらうことが大切との考えから《海の生き物椅子取りゲーム》のカードになっている生物種に即し、私たちがこれまで出会ってきた海の生きものたちの話をしました。30種類近くの生物の話でしたが、もともと海の生きものに興味を持った子どもたちだったこともあり、熱心に聞き、質問や感想をくれました。
その後、ゲームと海の工作を続けて行ったことで、子どもたちの興味が深まり、知識が定着していったことがよくわかりました。室内でのプログラムが楽しければ、「本物の海での体験はもっときっと楽しいはず」という期待も込めて、最後には、次に海で会いたい生きものを紙に描いてもらいました。教室に海を作って、次は教室から海へ出かけてみる、そんな最初のステップにぴったりのプログラムになりました。(文:寺西聡子)
※「事業報告書(PDF)」はこちらからご覧いただけます。
[ 実施概要]
■実施日:2019年11月24日(日)
■場所: 新渡戸文化学園アフタースクール 10 号館(東京都中野区)
■対象者:小学生
■参加費:無料(要事前予約)
■主催: LAB to CLASS プロジェクト(特非 海の環境教育 NPO bridge)
※本イベントは、海と日本 PROJECT (日本財団) の一環で実施しま した。
■協力: 学校法人新渡戸文化学園 ,未来教育 confeito, 海辺の環境教育フォーラム,一般社団法人JEAN
■後援: 公益社団法人日本環境教育フォーラム,