コラム

教材:環境学習としての釣り入門『海の釣り』 その1

公開日:2018.02.21

魚釣りを環境教育に・・・

 魚釣りを環境教育に…。そんな事を志して、『フィッシングメッセンジャー』の肩書きで活動を始めてから、もう十有余年の歳月が過ぎてしまいました。その間、自分の意志に賛同してくださった方々と一緒に、誰でも環境教育として釣りが指導できるように―—―そんな願いを込めて、冊子、環境教育としての釣り入門『海のつり』を、作りました。が、やはり、「釣り」を体験したことがない(または、少ない)方にとっては、まだまだ敷居が高いのでしょう。私の願いが広がっているとは言い切れないのが現状です。

 

※画像をクリックすると、『海の釣り』の本文全て(PDF)がダウンロードできます。 

七つの要素に集約

 魚釣りが、環境教育的だ―。って、いう考え方は、自分が初めてそう感じたずっと以前から、きっと実践者の方々は感じていたと思います。けれど、海を汚したり、マナーが悪かったり、釣り人のネガティブなイメージが先行していて、なかなかその「実践」に踏み込めなかったのではないでしょうか。そこに、「元釣具屋さん」がひょっこり現れて、声高に「釣りで環境教育がしたい」なんてぶちあげたものだから、「面白そうですね」と声を掛けてくださった方がたくさんいました。それが『海辺の環境教育フォーラム』に集った現・帝京科学大学教授の古瀬浩史さんをはじめとした、実践者の方々だったのです。

 ところがいざプログラムを開催しようとすると、釣りを「環境教育」として位置付けるには、根拠となる「要素」が必要だとなり…。そこで私が「釣り」が環境教育的だと感じているいくつかの要素を提示し、最終的に冊子にまとめたような「七つの要素」に集約されました。

 今回、LAB to CLASSで新たに作成をした教材『お魚のごはんは何だ?』は、上記の冊子『海の釣り』を元に、釣りをしたことがほとんどないような指導者でも子どもたちと一緒に楽しく学びながら「釣り」を通して環境学習ができるよう、事前学習の部分を膨らませたものです。

 教材『お魚のごはんは何だ?』を行うにあたっては、ぜひとも環境教育としての釣り入門『海のつり』を一読いただき、全体の流れを理解したうえで実施をしていただきたいと思います。

指導者の心得

 釣り好きな人であれば無意識にやっていることが、じつは経験がない方にとっては非常に新鮮な気付きである―。この新鮮な気付きは、釣り人が発信するより、むしろ指導者自らの体験を通して伝えていただく方が、きっと効果的なのでは…と思います。

 ただ、釣りをした事がない方が指導をするのには、やはりぜひともこの教材の主旨を知って欲しい―。そんな願いで、今回教材をLAB to CLASSに掲載するにあたり「指導者の心得」(PDF)をつくりました。ぜひともご一読いただけますようお願いいたします。そして、参加者と一緒に学ぶことを楽しみながらはじめていただきたいと思っています。

 そして、最初は冊子で紹介した“七つの要素”すべてをどうか実践してください。そうして“釣りの本質”を理解していただければ、個々の要素を取り出して、オリジナルのプログラムをどんどん創造していただけると思います。 多くの方にこの教材を活用していただき、これまで釣りの経験をされていなかった方にも、“トータル的な環境教育のツール”として「釣り」を実践できる…という事をともに伝えていけたら本望です。

 この教材の制作や、LAB to CLASS『WEB公開授業~潜入水族館!水族館で魚釣り!?』の開催に当たっては、たくさんの方のご協力をいただきました。そして、未来を築く子どもたちに正しく「釣り」を伝えていく決意を、より強くすることができました。本当にありがとうございました。

*次回は、「7つの要素」を具体的にご紹介します。<次回につづく>