コラム

丑の日につき・渾身の一筆!!(1)

公開日:2017.08.04

土用のウナギは絶滅危惧種?!

わたしは、ウナギが大好きです。うな丼を一口ほおばると、じわ~~っと幸せを感じます。

「土用の丑の日はウナギを食べよう!」と、最初に言った平賀源内さんのいたお江戸の海・東京湾では、天然のウナギが普通にたくさん採れてたんでしょうね。いつ頃まで普通にたくさんいたんだろう…。農林水産省の水揚げデータによると1970年代から減り始め、源内さんの地元の”東京湾”に限れば、80年代に入る前にはほぼ、ゼロに近い状態になりました。

 

ウナギには暮らしにくい?日本の川

わたしの愛するウナギは、一生のほとんどを川で暮らします。日本の川にも棲みつき、10年ぐらい川で過ごしたあと産卵のために川を下り海へ出、遠く南の海へ向かいます。南の海で産まれたこども(稚魚)は、日本近海まで帰ってきて、また、一生懸命川をさかのぼります。その川にダムができてさかのぼれなかったり、また、川岸がコンクリートで固められることで、隠れる穴場がなく鳥に食べられてしまったり、餌にするミミズやゲンゴロウやエビ、カニまで減ってしまったり…。ウナギが日本の川で大人になれる環境が、どんどん厳しくなってきてるんだそう。地球温暖化による海流の変化も、南の海から日本まで帰ってこれる稚魚の数をガクンと減らしてしまうことも最近分かりました。それだけでも大変なのに、そこに追い打ちをかけているのが、じつは「土用の丑の日」なんです。

「え〜っ」と思ったみなさま! そのわけは次回で。

(次回につづく)

参照リンク(外部サイト)

・ニホンウナギの生息地保全の考え方 環境省

・ニホンウナギの資源と初期生態 東京大学 大気海洋研究所 生物海洋学分野/東京大学 大学院新領域創成科学研究科 自然環境学専攻 海洋生物圏環境学分野

・ウナギレポート 中央大学法学部/ウナギ保全研究ユニットKaifu Lab