コラム

着衣泳で水辺の安全を!(2)

公開日:2017.08.10

「ういてまて!」って、どうすればいいの?

不意に水に落ちてしまったり、溺れそうになったりした時に役にたつ、セルフレスキューが「ういてまて!(着衣泳)」です。

もしもの時に、救助される側がスキルとして「ういてまて!」を実践でき、そばにいる人がスムーズに自分の役割を果たせれば、水の事故をもっと減らせていけるでしょう。

水辺の活動をされる方は、ぜひとも体験し活動の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?!

●「ういて・・・」

釣りや磯の観察など水辺で遊んでいて水中に落ちてしまったときには、ジタバタしたり、声をあげたりしないでください。海面にあおむけに寝るように浮かんでいてください。これを「背浮き」とか「ラッコ浮き」などといいます。

身に着けている、衣服や靴はそのままで。これは大切な浮具となります。

人間の体は全体の2%だけは水面上に出る(浮く)ので、口と鼻が水面に出ていれば呼吸は確保されます。

また、肺に空気を吸い込むと体の比重が水よりも軽くなり、浮きやすくなります。

●「・・・まて」

「助けて~」と声を出したり、手を振ろうとしたりすると、せっかく浮いている身体が沈んでしまいます。もちろん、泳ぎません。ひたすらじっと「待つ」ことが肝心です。

非力な子どもでも、「海面に浮かんで助けを待つこと」ならできます。

居合わせた人の重要な役割

落水の現場に居合わせた人にも、とても重要な役割があります。

大前提として、けっして助けようとして水の中に入らないでください。そのかわり、すぐに119番(消防署)か118番(海上保安庁)に携帯電話で連絡をするなどして、助けを呼びましょう。

それから、水の中で「浮いて待っている」人に、身近な浮くものを投げ渡してください。ペットボトル、リュックサックやランドセルなども、頼りになる浮具となります。

これは実際にあった事例ですが、防波堤から小学生が海に落ち、居合わせた地域の方がとっさに「ういてまて!」と声をかけると、暴れていた子どもはピタッと動きを止めて背浮を始めたそうです。

こうして声をかけることも、陸上からできる「居合わせた人」の重要な役割なのです。