コラム

【活用事例】日本さかな専門学校「海洋産業学」環境NPOの仕事 ―LAB to CLASS教材紹介―

公開日:2024.11.20NEW

概要 

2024年9月3日(火)と6日(金)、日本さかな専門学校の2年生を対象とした専門科目「海洋産業学」にて、bridge正会員の浪崎直子がゲストティーチャーとして一コマの講義を実施しました。講義のテーマは「環境NPO・NGOの仕事」です。この講義の中で、海の環境教育NPO bridgeの活動を紹介し、LAB to CLASSの3種類の教材《餌の餌の餌は何?》《干潟のジグソーパズル》《実物大のイルカをつくろう!》を学生さんに体験していただき、多様な立場の方たちと協力して仕事を進めることの醍醐味についてお伝えしました。

内容は、「実施報告書(PDF)からもご覧いただけます。

 

⚫︎テーマ:環境NPOの仕事としてLAB to CLASS教材を紹介
⚫︎対象:専門学校2年生(日本さかな専門学校「海洋産業学」の一コマとして実施)
⚫︎会場:日本さかな専門学校
⚫︎実施時期:2024年 9月3日(火)6日(金)90分×2回の授業(同じ内容を異なる対象に実施)
⚫︎使⽤教材:
①餌の餌の餌は何? PART1:北の海/ PART2:磯・外洋/ PART3:サンゴ礁
②実物大のイルカをつくろう! 
③干潟のジグソーパズル

 

 

活動の様子

1.環境NPONGOの仕事

日本さかな専門学校2年生対象「海洋産業学」での講義の一コマ

 

「日本さかな専門学校」は、2023年に神奈川県三浦市に開校した、日本初『さかな』を総合的に学ぶ専門学校です。さかなのスペシャリストを目指す1、2年生の学生が、漁業、調理・食品学、観光レジャー、環境等、魚に関する専門知識と技術を総合的に学んでいます。開校2年目となった2024年9月、ここで講師を務める茂木みかほさんから、環境NPOの仕事について話してくれる人を探しているとのお話をいただきました。2年生を対象とした専門科目「海洋産業学」で、bridge正会員の浪崎直子が「環境NPO・NGOの仕事」をテーマにゲストティーチャーとして一コマの講義を担当しました。

 

 

2.LAB to CLASS3つの教材を体験

《餌の餌の餌は何?》の最後のまとめ。学生さんから海のマニアックな話題が続々

 

この講義の後半で、海の環境教育NPO bridgeの活動を紹介し、LAB to CLASS教材の良さを知ってもらおうと3つの教材を学生さんに体験いただきました。1つ目の教材《餌の餌の餌は何?》を実施しところ、さすがの学生さんたちで、完成までのスピードがとても早い。またカードのイラストを一目見ただけで「深海に生息するハダカイワシですね」と言い当て、ハダカイワシが夜餌を求めて浮上するのは「鉛直移動」だと専門用語で回答してくださいました。さらには「このあいだ釣りをしていたら、ウオノエが単独で普通に泳いでいました」「ある水族館でシロワニがネムリブカを襲っているところを見たことあります」など、マニアックな話も続々出てきて、さすが魚好きの集まる専門学校の学生さんたちで講師にとっても楽しいひと時となりました。

 

 

完成した実物大イルカを披露

 

2つ目の教材《実物大のイルカをつくろう!》では、ドライヤーでイルカの模型を膨らませて実物大の大きさを見ていただきました。御蔵島での野生のイルカの生態調査から、実物大のイルカの大きさがわかり、この教材ができたという教材制作の経緯についても詳しくお話したところ、「そういえば、随分前に七里ヶ浜に座礁したクジラを見に行ったことを思い出しました」という学生さんもいらっしゃいました。

 

 

干潟のジグソーパズルを眺めているところ

 

3つ目の教材《干潟のジグソーパズル》は、「この動物プランクトンはなんだろう?アカテガニのゾエア幼生かな」「ヨシキリ?あー、あの変な鳴き声の鳥だ」などといった話が聞こえて、パズル完成後にみんなでしばらく絵を眺めながらマニアックな雑談をしていたのが印象的でした。専門学校の校舎近くにある江奈湾の干潟で毎年学生さんたちの実習をされているそうで、学生さんも先生も干潟への関心が高かったです。

それぞれの教材を体験したあとは、教材の工夫について、楽しむ仕掛けを作るインタープリターや監修に関わる研究者、人の関心を惹くデザイナーやイラストレーター、それらの人たちをとりまとめる編集者など、たくさんの人たちの仕事があってこの教材ができたことを紹介しました。

 

 

実施後の感想

この講義では、「海に関わる産業について知り、就職を見据えて社会人としての素養を身につける」ことを一つの目標としていました。NPOの仕事は、仕事の種類も財政状況も団体によってさまざまであり、一概には言えませんが、やりたいことが明確にある人にとってはとてもやりがいのある場だと思います。今回、「子どもたちに魚のことを好きになって欲しい、そんな活動ができたら」と、講義が終わった後に話しかけてくれる学生さんも何名かいらっしゃいました。そんな素敵な夢をもつ学生さんたちと、いつかどこかで一緒に活動ができたらと願っています。そしてまた機会があれば、魚好きの学生さんたちと新しい海の教材づくりについて議論できたら、すごくユニークで面白いアイデアがたくさん出るだろうなと思いました。またどこかでご一緒したいです。