コラム

【活用事例】「海の中の生き物」をテーマに自然発見塾

公開日:2020.04.26

内陸部の公園で、“海への関心の高さ”がうかがえました

国営昭和記念公園では、毎月1度、幼児~小学生とその保護者を対象として『Project WILD 自然発見塾』という野生生物やその自然環境について“体験を通して学ぶ”イベントを実施しています。
こちらのイベントは基本的には野生動物の環境学習プログラムであるProject WILD(以下PWと略します)のアクティビティを通して体験学習をするイベントですが、2019年5月18日の回では「海の中の生き物」というテーマで開催し、前述のPWには海洋生物用のプログラムはないため、LAB to CLASSの教材を活用させて頂きました。
国営昭和記念公園は立川市と昭島市にまたがる内陸部の公園で、海に面していないにもかかわらず、参加者は午前の回・午後の回、合わせて70名に達しました。この数字は、いつもの参加者数よりも多めであったことから、来園者の海への関心の高さがうかがえました。

●テーマ:海の中の生き物
●対象:幼児~小学生とその保護者70名(午前・午後に分けて実施)
●会場:昭和記念公園 花みどり文化センター多目的ホール
●実施時間:1時間30分
●使用教材:かんたんサンゴぬり絵/海の生きもの、椅子取りゲーム/餌の餌の餌は何?/サンゴ礁ジグソーパズル
●主な学習(紹介)テーマ:
・海の中の生き物がどんなものがいるのかについて考える
・海の生き物の特徴について考える
・海の食物連鎖について考え海洋ゴミについて知る
・自分たちとサンゴとのつながりから、環境について考える。
●主催:昭和記念公園

活動の様子

 詳しくは、実施報告書(PDF)をご覧ください。

実施後の感想

今回、私以外のスタッフはLAB to CLASSを知らない状況下で実施し、振り返りで意見がでたことは、この教育プログラムが指導者にとって使いやすく、学習者にとってわかりやすいものであるということです。理由は次の3点です。

① ネタやイラスト等の教材が、無料ダウンロードできる 環境教育を実践したくても、解説に使用するネタやイラストを自前で用意することが難しい人が多いことだろう。実際われわれ国営公園スタッフもその点で苦労しているのが現状である。そのようななか、LAB to CLASSでは、すぐに使用できるネタやイラストを無料で提供してくださっているので、実施する側としては非常に嬉しい。
② 受講料を払ってライセンスを登録しなくてもアクティビティを活用することができる 環境教育プログラムの多くは、このプログラムを使用できるまでには、高い受講料を払ってライセンスを登録しなければならない。 それに比べLAB to CLASSは、誰でもアクティビティを使用することができる手軽さがあるため、普及力が高いと思われる。
③ 海が無い場所でも、海について考え、海について知ることができる 海のない立川市と言う内陸エリアにおいて、初めてLAB to CLASSのアクティビティを使用させていただく初の試みとなったが、参加申込者数としてはいつも以上に多く、海への関心の高さが窺えた。
 全体を通して、対象年齢が幼児(4歳程度)~参加の為、既存のアクティビティをそのままではできず、ゲーム性を落として丁寧に進行しなければならなかった。また、テーマが海の生き物だが、実物は用意できない環境で、その期待には応えられなかった。答えありきではなく、考え方を重視し、参加者から引き出すことにはついては成功した。