コラム
【活用事例】ロンボク島でビンゴ!
公開日:2017.10.05
山本かおり(NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ))
「カモメ」のインドネシア語が分からない?!…翻訳に四苦八苦
東京から南へ、インドネシアのバリ島デンパサールかジャワ島ジャカルタで乗り換え、約9〜10時間(飛行時間)。バリ島の東隣に位置するロンボク島は、牧畜が盛んな、米やコーヒー、タバコを産出する緑豊かな島です。観光客が多いバリ島にくらべ、日本人にまだまだ知られていないのどかな島ですが、島の周囲にはサンゴ礁が広がりいたるところに白砂の美しいビーチが見られます。
しかし、海の環境に関心を持つ現地の人は少なく、ロンボク島でごみを減らすための環境教育を行っているNPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)では、以前からロンボク島を取り囲む海について学ぶ教材が欲しいと思っていました。
そんなとき、『海の生きもの椅子取りゲーム』を見つけて、ぜひ現地で試してみたいと思い、まずは手始めに生きものカードを使った「海の生きもの探し」をすることにしました。
インドネシアにはこのような教材はないうえ、学校でも海の生物については細かくは教えないので、よっぽど海に親しんでいない限り生きものの名前さえみんな知らない…いうことが今回わかりました。「カモメ」というインドネシア語の名前さえ、知らない始末。
「生きものカード」30種中28種類が、ビンゴ!
30枚ある生きものカードのうちロンボク島やインドネシアで見られる生きものは、ラッコとアザラシをのぞく28種類です。今回は、生きものの名前をインドネシア語に訳すところから始まりました。
そして、生きものの名前がわかったところで海に行き、浜にいる生きものを探してみました。
結果は…!
ウニは、インドネシア語では「ブタの毛」という名前!
殻の抜けちゃったヤドカリ?…ではないそうです。
こちらがヤドカリ。
生きものカードは生物が特徴的に描かれていて、「生きもの探し」をするよい導入になりました。
次の目標は『海の生きもの椅子取りゲーム』のロンボク島での実施です。そのためには、28種類の生きものの特徴をインドネシア語に訳す作業が必要になります。
翻訳作業が終わったら、カードの裏にインドネシア語を貼り付けて、学校の子どもたちや村の若者を対象にプログラムを実施したいと考えています。ただし、インドネシアには「椅子取りゲーム」という遊びがないため、プログラムの前にその遊びについての説明も必要です。そもそも、椅子取りゲームができる椅子が学校や村にあるかどうかもあやしいため、椅子がなかった場合のやり方も考えておかなければいけません。
こちらはゆいツールオリジナルの教材「ごみってなんだ?」を体験する子どもたちの様子です。
NPO法人ゆいツール開発工房は、ロンボクの人たちがもっと海の生きものに関心を持つようになって、自分たちが捨てているプラスチックごみが海の生き物に迷惑をかけていることに気づいてほしいと考え、活動をしています。
<リンク>
NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)WEB:http://yui-tool.jimdo.com/